「助かります……では、お言葉に甘えて……案内を頼んでもよろしいですか？」

僕の言葉に、白髪の子は「お任せください」と頷く。

「あの、僕……ルーチェ・クロウディアと言います！」

僕が自己紹介をすると、2人は「え！？」と驚いた顔をした。2人の反応に、僕は首を傾げる。

「……とりあえず、移動しようぜ。ここは、人通りが多いからな……俺は、アーサー・ウィリアムズ。17歳だ！」

僕と同い年らしい赤髪の子――アーサーさんの言葉に、白髪の子は「それもそうだね」と頷いた。

「僕は、アーサーの幼なじみのティム・ラファール。17歳だよ」

「……アーサーさんにティムさんだね。2人とも、僕と同い年なんだ……」

僕の言葉に、白髪の子――ティムさんは「そうみたいだね。冒険者育成学校は、こっちだよ」と言って歩き始める。

僕も、ティムさんのあとを追いかけるように歩き始めた。

しばらく歩いてるとだんだんと人が少なくなってきて、僕の隣を歩いてたアーサーさんは「……ルーチェ、確認したいんだけど」と僕に話しかけてくる。

「……ルーチェ……お前、望月光で合っているよな？」

アーサーさんの問いかけに、僕は驚いた。アーサーさんの口から、僕の前世での名前が出てきたから。

僕の前世の名前は、僕の知り合いに知ってる人はいないはずだ。今日会ったばかりのアーサーさんが、どうして前世の名前を知ってるんだ？