あれから、僕はレオンさんと一緒に魔法薬の調合をしつつ、勉強して『魔法薬調合師』という魔法薬を調合するために必要な称号を取った。

この称号は正式名称が長いからか、魔法薬師とか薬師って略されてるらしい。

そして、あれから気が付けば約2年が経ってて、僕は17歳になった。

「……そういや、クラルさんと父様……朝から出かけるって言ってたけど、いつ帰ってくるんだろ……」

僕の自室とは別に、父様に用意してもらった魔法薬を調合するための部屋に向かってる最中、僕は呟く。

「……今日の剣術の稽古に、参加しようと思ってたんだけどな……」

そんなことを呟きながら、呪具を片手に廊下を歩いてると母様と会って、僕は「母様、おはようございます」と挨拶をした。

「ルーチェ、おはよう。大切な話があるの。庭まで来てくれないかしら?」

「……大切な話、ですか?……分かりました」

母様の言葉に頷くと、僕は庭へと向かう。庭には、父様とクラルさん、リルにモンスターたちが集まっていた。

「クラルさん、父様。おはようございます」

僕が挨拶をすると、クラルさんと父様は「おはよう」と同時に挨拶をする。

「よし。集まったな……皆、良く聞いて欲しい」

母様が庭に出てきたのを見てから、父様はそう言った。

リル含めたモンスターたちは、一斉に父様の方を向く。それを見た後、僕も父様に視線を移した。

「今日、俺は魔王の座を降りることになった」