レオンさんから教えてもらった店には、たくさんの種類のアクセサリーがあった。その中からクラル様が選んだのは、青い魔法石に紫色のリボンが付いた装飾品だった。
リンドウから帰ってすぐに、僕は魔法石に魔法の威力を上げる強化をしてから、母様に頼んでクラル様の服に装飾品を付けてもらう。
その後、僕らは庭に出て魔法の練習をすることにした。
今、クラル様が使える魔法を見せてもらう。
クラル様の人差し指に小さな火が灯って、それはどんどんと大きくなってく。その火を、クラル様は空へと打ち上げた。火は、ある程度の距離を飛んで、空気に溶け込むように消えてく。
クラル様が放ったのは、僕が威力の説明をした時に使った攻撃魔法だ。
「……すごい。杖を持ってなくても、杖と同じぐらいの威力が出る……」
クラル様は、空を見つめながら呟いた。その様子を眺めてると、近くから「ルーチェ!」と僕の名前を呼ぶ声がして、僕は声がした方を見る。
「アーサー!ティム!」
そこにいたのは、アーサーとティム。遊びに来てくれたみたいだ。
「2人とも、いらっしゃい」
2人の姿を見て、クラル様は微笑んだ。2人は同時に「お邪魔します」と挨拶をする。