「でも、僕はルーチェのことはよく分からないから……どこから教えていいのか分からない。それなら、ある程度は分かってるレオンくんに教えてもらった方がいいと思うんだ。レオンくんと話してて、それならルーチェに決めてもらおうってなって……」

「……」

……どっちに魔法を教えてもらうか、か……。

「……決める前に、1つだけ良いですか?僕、今は大賢者になりたいわけじゃないんです。大魔導師のままでいいんだって最近気づいて……家族を守るだけの強さは欲しいんですけどね」

「……そっか。なら、ルーチェくんは新しい魔法を覚えつつ、得意なことを伸ばした方がいいかもね……だったら、俺がルーチェくんを見ようかな」

「分かった。じゃあ、僕はあの2人を見るよ」

「お願いします」

そんなやり取りを2人はして、ルカさんはクラル様の方に歩いてった。

「……ルーチェくん。本当に、大賢者にならなくていいの?前は、あんなになりたそうにしてたのに……」

レオンさんの言葉に、僕は少し考える。

僕がそう言った理由を、レオンさんにも知ってもらう必要があるのかもしれない。

そう思って、僕はちゃんと話すことにした。