「剣か杖かってだけで、こんなに違うんだ……」

「うん。武器が違っても普通に使えるのは、補助系と一部の回復系の魔法くらいなんだよね」

クラル様に武器を返して、僕は言う。そして、地面に置いてた母様にもらった杖を拾って、クラル様に差し出した。

「どうするかは、また考えるからさ。一旦、魔法の練習しなよ……この杖を貸すから。魔法は覚えておいて、損はありませんので」

クラル様は、微笑むと「ありがとう」と僕から杖を受け取る。

「……ルーチェくん、ちょっといい？」

いつの間にか庭に移動してたレオンさんに話しかけられて、僕は「何ですか？」とレオンさんの方を見た。

「少し、ルカさんと俺とルーチェで話しをしたいんだ。ちょっと来てくれない？」

レオンさんの言葉に、僕は「分かりました」と頷いてクラル様に声をかけると、レオンさんに近づく。レオンさんの後をついて、僕はルカさんのいる場所まで来た。

「……えっと、話したいことって……」

僕が話しかけると、ルカさんは「ルーチェは、僕かレオンくん。どっちに魔法を教えて欲しい？」と問いかけてくる。

「ルーチェくんに決めてもらおうって思って。俺は、ルーチェくんと同じように闇属性の魔法を得意とするルカさんに教えてもらうのがいいとは思うんだけど……」