「分かった。剣術はクロードが教えるからいいとして、問題は……」

レオンさんは、そう言ってクラル様を見た。クラル様は、首を傾げる。

「……武器をどうするか、ですか。杖か魔導書じゃないと、魔法の威力は杖を使って放った時よりも大分低くなる。しかも、クラル様は剣術士がメインですからね……」

「……それ、聞いたことあるけど、威力ってどこまで低くなるの?」

「……実際に見せるよ。庭に、移動しようか。その前に、僕の部屋に寄りたい」

僕はそう言って、クラル様を連れて部屋を出て、僕の部屋に向かう。部屋に置かれた、前に母様にもらった杖を持って庭に出た。

そして、母様からもらった杖先を空に向けた。

「まずは、杖ありで攻撃魔法を撃つよ」

僕は、呪文を唱えて火の玉を空に向かって飛ばした。だいぶ長い距離を飛んで、空気に溶け込むように消えてく。

「次は……武器を変えて同じ魔法を撃ってみるから、クラル様の武器を貸してもらってもいい?」

僕は、母様にもらった杖を地面に置いたあと、クラル様に問いかけた。クラル様は「いいよ」と、クラル様の武器である剣を僕に渡してくれる。

それを僕は受け取って、さっきと同じように剣先を空に向けた。

「武器の種類が変わるだけで、威力は全然違う。見ててください」

さっきと同じ魔法を放つ。

さっきよりも一際小さな火の玉が、空に向かって飛んでいった。それは、さっきよりも距離を飛ばずに消えてく。