「失礼します」
図書館を出て、レオンさんと一緒にレオンさんの自宅にやって来た僕と父様。レオンさんの家は、町の端にある小さな一軒家だった。
僕らは今レオンさんの家のリビングで、部屋を出ていったレオンさんを待ってるところ。
少し待ってると、お盆を持ったレオンさんがリビングに戻ってきた。
「思ったより、綺麗だね」
「……自分の部屋以外は、あまり使ってないからな」
父様とレオンさんは、そんな会話をしながら僕らの前に飲み物を置く。氷の入ったお茶だ。
「ありがとう。気を使わなくてもいいのに……」
「俺が出したいから、出しているだけだよ。気にするな」
そう言いながら、レオンさんは僕らと向かい合うように座った。
「それで、十何年ぶりに会うけど……今は、魔法薬の研究をしているんだってね。レオンらしいや」
レオンさんが用意した飲み物を一口飲んでから、父様はそう言って微笑む。
「魔法薬の研究をするのが、冒険者育成学校に通っていた頃からの俺の夢だったからね」
「いつも、教室で言っていたよね。『俺は、世界一の研究者になるんだ!』って……印象深くて、今でも覚えているよ」
「そう言うクロードだって、学校の実習でモンスター討伐の任務に行った時に、討伐するはずだったモンスターに好かれて困っていたじゃないか」