「……結局、答えてくれなかったな……本当に、近くまで来たから寄っただけなのかよ……それで、さっきの話の続きだけど……僕も、君たちに協力したいんだ。出来ることなら、何でもする。駄目かな?」

「……いいですよ。助かります」

父様の返答に、ルカさんは「ありがとう」と微笑む。

「そうと決まれば、皆と話し合わないと……ルカさんも俺の家に来てくれますか?」

「いいよ。その前に、リンドウにある僕の家に寄ってもいいかな?妻に、帰りが遅くなることを話さないと……」

「構いませんよ……クラル、ルーチェ。そろそろ行くよ」

そう言って、父様とルカさんは部屋を出てった。部屋を出ようとするクラル様を、僕は呼び止める。

「……ルーチェ、どうしたの?」

「……さっきは、言えなかったことがあって……忘れないうちに……」

そう言って、僕はクラル様の目の前で跪いた。クラル様を見上げて、僕は微笑む。

「クラル様。僕は、一生クラル様の側近としていることを誓います」

「……ありがとう。頼りにしてる」

僕の言葉に、クラル様は嬉しそうに微笑んだ。そして、僕らは父様とルカさんのあとを追いかける。

それから、僕らはリンドウに寄り道してから、家に向かった。