ルカさんに促されて、僕とクラル様は近くにある椅子に座る。そして、クラル様は話し始めた。

「あの日、カラミティに用事があって、僕はリルと一緒にカラミティに向かっていたんだ。その時、ルーチェの知り合いだという双子が来て、いきなり僕に攻撃を始めて……それをリルが止めようとした時、僕は魔法か何かで吹き飛ばされたんだ。その時、僕の目の前に現れたのがビオラさんでさ」

……知り合いという双子は、カナタさんとエリカさんのことだよね。

「前に会った時とは、全く雰囲気とかも違っていたビオラさんは言った。魔王を辞めて、ルシフェル様のところに来い、と……家族を捨てて、一緒に破壊神を復活させないかって。もちろん、僕は断った。だけど、ビオラさんは言ったんだ。家族の皆は、僕を本当に信頼してるのか？って。それは、僕の思い込みじゃないのか？って。それでも、僕が揺るがないのを見てか、『無理やり大魔王のもとに連れてく。それから、ルシフェル様に会ってもらう』って戦いになって……後は、ルーチェの知っての通りだ」

「なるほどね……ルシフェルのやつ、今度は何を企んでるんだ？」

……ルシフェルって、ビオラさんが言ってた……。

クラル様の話を聞いたルカさんは、そう呟く。その呟きを拾ったクラル様は「ルシフェルって人を、知っているんですか？」とルカさんに問いかけた。