町を探索すること数時間。すべての材料を集め終えた僕らは、一旦前世の僕の家に戻ってきた。

「……よし。早速作るか」

そう呟いて、僕はキッチンへと移動する。ここに来て数時間が経ったけど、魔力は全く回復してない。

回復薬で魔力を回復させるという方法を選んで正解だったかも。

「魔法薬……か。ルーチェは、魔法薬を作れるのか?」

魔法薬を調合するための器具がないから、代わりに使えそうなものを探す僕に、旭は話しかけてきた。

「うん。僕、魔法薬を調合するのに必要な、魔法薬調合師っていう称号……いや、資格を持ってるんだ」

「何か、すごそう……」

「……あ、見つけた……」

棚の奥の、隅の方。僕は、ないとばかり思ってた魔法薬を調合するための道具を見つけて、それを引っ張り出す。

「これで、魔法薬を作るんだよ」

僕は道具を机の上に置いて、外で見つけてきた材料を並べた。

「準備出来た。今から、魔法薬を調合するから見てて」

2人に向かってそう言ってから、僕は調合を始める。調合をする様子を、2人は興味津々に眺めてた。

「……よし。完成!これが、魔力回復薬だよ」

「へぇ……色の付いた水みたい……」

淡い青色の魔法薬を眺めながら、和夢は呟く。