「……和夢の言う通りなら、町を探したら、材料や武器が見つかるかもしれないね……少し、外に出たいんだけど……いいかな?」

僕が問いかけると、旭は「いいぞ!」と頷いた。和夢も、無言で頷く。

「ありがとう」

2人にお礼を言って、僕は2人を連れて家を出た。家を出て、僕は辺りを見渡す。

前世で暮らしてた町のはずなのに、何だか異国に迷い込んだような気分だ。

何でかは分からないけど、漠然とした不安が、僕を襲ってくる。

「……ルーチェ、どうしたの?」

なかなか動かない僕を見てか、和夢が話しかけてきた。

「いや……前にいた世界なのに、急に知らない世界に飛ばされたような感じがして……」

「なるほど……もう10年以上も、異世界で過ごしていたからかな?」

和夢の言葉に、僕は「多分ね」と返す。そして、もう一度辺りを見渡してから、和夢と旭の方を向くと微笑んだ。

「行こうか。とりあえず、適当に歩こうかな……」

僕がそう言うと、2人は同時に頷く。そして、僕らは町を歩き出した。

「……なぁ、ルーチェ」

歩き出したと同時に、旭が話しかけてくる。

「ルーチェは、異世界の住民だって言ってただろ?お前、普段は何してるんだ?」