「……光、何が何だか分からねぇんだが……」

説明を求める、と言いたげに旭は僕をじっと見つめた。旭と和夢がいるにも関わらず、試練のことを話してった、いずなの意図が何となく分かった気がした。

「僕は、望月光じゃない……ルーチェ。ルーチェ・クロウディアだ」

そう言った僕は、旭と和夢に簡潔に、かつ分かりやすく説明する。僕が転生者であることと異世界の住民であること、そして転生先の世界のことを2人に話す。

「お前が、異世界の住民……」

「君たちにとっては急な話だし、信じなくても大丈夫だよ。僕一人で、何とかするから」

そう言って微笑むと、2人は顔を見合せた。

「俺は、お前の話……信じるぞ!」

旭の意外な言葉に、僕は「え?」と反応する。

「光が嘘をつく人じゃないって分かっているから。僕らに出来ることがあるなら、協力したい」

2人は、じっと僕を見つめた。2人の表情から、本気で言ってるのだと理解する。

「ありがとう。あの……僕からのお願いなんだけどさ……僕のこと、ルーチェって呼んで欲しいんだ。2人にとって、僕のこの姿は光なのかもしれないけど……僕にとっては、ルーチェ、だから……」

「……分かったよ。出来る限り、ルーチェって呼ぶようにするね。でも、光って呼ぶ時もあるだろうけど、その時はごめん」

そう言って申し訳なさそうにする和夢に、僕は「大丈夫だよ」と微笑んだ。