「光、遊びに来たぞ!」
「お邪魔します」
「2人とも、いらっしゃい」
久しぶりに見る顔に懐かしさを感じながら、僕は前世の母親に連れられて部屋に来た2人に微笑む。
ご飯を食べて、記憶を頼りに遊ぶ準備をしてから、アーサーの前世である旭とティムの前世である和夢が来るまでの間、僕は何が起こってるのかをその辺にあった白紙に書いて整理してた。
それで、分かったことは1つだけ。ここが、過去の世界であること。それだけ。
姿は、前世のものじゃなくて、今の、ルーチェのままだった。なのに、皆は僕のことを前世の名前で呼ぶ。
考えても、分からないことだらけだ。
「光、そんな顔をしてどうしたんだ?何か、悩みでもあるのか?」
いつの間にか考え込んでたらしく、心配そうに旭は言った。
「ごめん、何でもない……」
「そう?なら、いいんだけど……何かあったなら、話聞くよ?」
「ありがとう。でも、本当に大丈夫なんだ」
そう言って微笑むけど、2人はまだ納得がいかないみたいだ。
僕が返答に困ってると、足元から『ルーチェ様』という声が聞こえて、僕は思わず「うわ!」と声を上げる。
足元を見てみると、そこには、いずながいる。いずなは、じっと僕を見つめてた。
「びっくりした……何だ、いずなか……」
「お、可愛いな!」