父様の言葉に、ティムは「はい」と頷く。

「僕とアーサーは、前世からのルーチェの友だちでした。僕とアーサーは、命を落とした後……神様に出会ったんです。転生前に、ルーチェがこの世界にいることを教えてもらいました。そして、この世界でルーチェと出会って……」

「ちなみに、俺らも神様からルーチェがこの世界にいることを聞いたぞ。俺とエリカは、前世のルーチェの両親だった」

カナタさんの言葉に、父様は「え?」と反応をした。

「ルーチェがいなくなって、数年後に俺らも命を落としてな。神様から、色々と教えてもらったんだ」

「ちなみに、僕は神様に会ってませんよ。気が付いたら、この森にいました。それに、転生してからクラル様と父様に出会った日までの記憶は、全くありません」

「……そっか……皆、話してくれてありがとう……とすると、転生者であるルーチェたちを敵として見てるのか……でも、何で秘密を知っていながら、敵であるカナタくんやエリカさんにルーチェのことを話したんだ?」

そう言って、父様は考え込む。リルも「そうですよね、何が目的なんでしょう……」と呟いた。

母様も「そうね……」と考え始める。

皆、僕らの話を信じてくれたようだ。皆の反応を見て、僕はホッと息を吐く。

「僕らの関係をめちゃくちゃにするため、だったとしたら?」