「違います。この文字は……この世界には、存在していません」

「え？でも、ルーチェは読めるんだよね？」

「はい。僕がそれを読めるのは……昔、僕が使っていた文字だからです。そして、その内容にある転生者というのは、僕らのことを指してるんだと思います」

僕の言葉に、レオンさんは「え？どういうこと？」と首を傾げた。

「順番に説明します。僕は……いや、僕とアーサーとティム、そしてこの2人は、異世界から来ました。前世の……異世界で暮らしていた時の記憶を持ったまま、この世界で生まれ変わったんです。僕らが昔暮らしてた世界の、僕らが生まれ育った国の言語……それが、その手紙に書かれてる文字なんです」

言葉を選びながら、僕は話す。僕の説明が皆に伝わってるのか、皆は「なるほどね」と理解したかのように頷いた。

「……言いたくなかったら、答えなくてもいいんだけどさ……ルーチェは、アーサーくんやティムくん、そして、エリカさんにカナタくんも転生……？して来たことを知ってるみたいだけど……」

「僕らから、ルーチェに話したんです。僕とアーサーが、ルーチェに初めて会った日に。ルーチェが、転生者であることを転生した時から知っていた、からです」

「知って、いた……？」