あ、前の方だ……
前の席を嫌がる人は多いだろうけど、私にとっては好都合。
「ねぇねぇ、名前なんていうの?」
そんなことを思っていたから、私に声をかけてくれたんだと気づくのに少し時間がかかった。
「私?」
「そうそう!」
その人を見ると、明るくて活発そうな人だった。
それに、容姿も整っているし。
いかにも、モテそうな人だなぁ……
「えっと、私は三波妃唯っていいます」
「妃唯ちゃん!可愛い名前だね!」
「ありがとう」
「私はね、絹川真由!よろしく!」
「うん、よろしくね。真由ちゃん」
よかった……
不安だったけど、ひとまず友達ができそう。