――週末の約束。
この日は特に行きたい場所もしたいこともなく、家でダラダラしよっかってことになった。
……行きたい場所も、したいこともないのに会うってどんなセフレなんだろうか。行きたい場所もしたいことも思い浮かばずに何の提案も出来なかった私に栄司は
『じゃ、のんびりしよっか。映画見てもいいし、音楽聞いてもいいし、寝てもいいじゃん』と会うことを取りやめずにそう言ってくれた。これって、私と会うことに否定的じゃないってことだよね。それか、私の誘いを無下にしたくなかったか。……気を使ってくれたのかな。いいよね、いいんだよね、私の感情を優先しても。だって、そういう関係を望んだわけで……。
栄司が嫌なら、きっと次の関係継続は無いんだろうけど、この関係を継続するのが正しいのかもうよくわかんなくなっちゃったな。けど、“部屋にふたりきり”は私にとって都合がいい。どこかのタイミングで栄司に気持ちがあることは伝えておきたいと思うから。
“好き”だってこと……。
出来れば栄司もまだ私の事を好きでいてくれたらいいのにって期待してしまっている。そうだといいなって……。
家を出て待ち合わせの場所へ行くのはわくわくする。
遠目に栄司を見つけて目が合うと、ドキドキして軽く上げられた手に応えて、そこから栄司のいる場所に到着するまで視線をどこに置いていいかわからない甘い疼きをともなう気恥ずかしさと、早くなる鼓動を気取られないように
「お待たせ」と横に並ぶ。
「いーえ」
気軽な返事をくれて、私の手を取って歩き出す。鼓動はもっと早くなって、抱きつきたい衝動にかられる。あああ、恥ずかしいのに嬉しくて顔が緩む。
そして、
「どうした、上機嫌じゃん」
バレてしまって顔が熱くなる。
この日は特に行きたい場所もしたいこともなく、家でダラダラしよっかってことになった。
……行きたい場所も、したいこともないのに会うってどんなセフレなんだろうか。行きたい場所もしたいことも思い浮かばずに何の提案も出来なかった私に栄司は
『じゃ、のんびりしよっか。映画見てもいいし、音楽聞いてもいいし、寝てもいいじゃん』と会うことを取りやめずにそう言ってくれた。これって、私と会うことに否定的じゃないってことだよね。それか、私の誘いを無下にしたくなかったか。……気を使ってくれたのかな。いいよね、いいんだよね、私の感情を優先しても。だって、そういう関係を望んだわけで……。
栄司が嫌なら、きっと次の関係継続は無いんだろうけど、この関係を継続するのが正しいのかもうよくわかんなくなっちゃったな。けど、“部屋にふたりきり”は私にとって都合がいい。どこかのタイミングで栄司に気持ちがあることは伝えておきたいと思うから。
“好き”だってこと……。
出来れば栄司もまだ私の事を好きでいてくれたらいいのにって期待してしまっている。そうだといいなって……。
家を出て待ち合わせの場所へ行くのはわくわくする。
遠目に栄司を見つけて目が合うと、ドキドキして軽く上げられた手に応えて、そこから栄司のいる場所に到着するまで視線をどこに置いていいかわからない甘い疼きをともなう気恥ずかしさと、早くなる鼓動を気取られないように
「お待たせ」と横に並ぶ。
「いーえ」
気軽な返事をくれて、私の手を取って歩き出す。鼓動はもっと早くなって、抱きつきたい衝動にかられる。あああ、恥ずかしいのに嬉しくて顔が緩む。
そして、
「どうした、上機嫌じゃん」
バレてしまって顔が熱くなる。



