「不思議だよなー、こういうの。大学卒業してから全く会ったこと無かったのに、1回会うと続くよな」
「うん。ほんと、びっくり」
何とか笑顔を作って挨拶を返す。
「えーっと、今から昼? 」
お昼だけど、食欲がわかなくてカフェで済まそうかと思っていた。
「ご飯は終わって、コーヒーでも飲みに行こうかなって」
「あ、そうなんだ。早いな……俺、俺たちも今から……」
加賀美くんが横の女の子に視線を走らせた。そっか、今から休憩なのかな。
「あ! 私! 行ってみたいところがあって! あの、いつも先輩と一緒だと息抜く暇ないので、どうぞ二人で。私も、その方がいいので! 時間までにここに戻りますね。ではっ」
彼女はそう言って小走りで行ってしまった。ポカーンとしてしまう。
「彼女に気を使わせてしまったみたい」
「ほんとだな。ちょっと俺、仁科と飯行きたいの出ちゃってたかも。でもまぁ、向こうも半分は本音だと思うよ。今日まで同行でさ、ずっと一緒だったからあの子なりに気使ってただろうし。……いこっか、昼。あ、食べたんだったな。カフェでも入ろうか。俺、何か食べてもいい? 」
「もちろん」
私、今全然誰かと食事する気分じゃないんだけど……。彼女に遠慮までさせて一人で行くね、とも言えない。仕方ないか。さっきの胸の痛みをしまって加賀美くんに続いた。
……加賀美くんかぁ。そう言えば、彼女はどうなったんだろう。あの彼女は……。加賀美くんの背中を見ながら、あの頃の記憶を辿る。加賀美くんの事が好きなあの頃の私にとって、この背中は見慣れたものだった。
「うん。ほんと、びっくり」
何とか笑顔を作って挨拶を返す。
「えーっと、今から昼? 」
お昼だけど、食欲がわかなくてカフェで済まそうかと思っていた。
「ご飯は終わって、コーヒーでも飲みに行こうかなって」
「あ、そうなんだ。早いな……俺、俺たちも今から……」
加賀美くんが横の女の子に視線を走らせた。そっか、今から休憩なのかな。
「あ! 私! 行ってみたいところがあって! あの、いつも先輩と一緒だと息抜く暇ないので、どうぞ二人で。私も、その方がいいので! 時間までにここに戻りますね。ではっ」
彼女はそう言って小走りで行ってしまった。ポカーンとしてしまう。
「彼女に気を使わせてしまったみたい」
「ほんとだな。ちょっと俺、仁科と飯行きたいの出ちゃってたかも。でもまぁ、向こうも半分は本音だと思うよ。今日まで同行でさ、ずっと一緒だったからあの子なりに気使ってただろうし。……いこっか、昼。あ、食べたんだったな。カフェでも入ろうか。俺、何か食べてもいい? 」
「もちろん」
私、今全然誰かと食事する気分じゃないんだけど……。彼女に遠慮までさせて一人で行くね、とも言えない。仕方ないか。さっきの胸の痛みをしまって加賀美くんに続いた。
……加賀美くんかぁ。そう言えば、彼女はどうなったんだろう。あの彼女は……。加賀美くんの背中を見ながら、あの頃の記憶を辿る。加賀美くんの事が好きなあの頃の私にとって、この背中は見慣れたものだった。



