「ほら」

男の人が自分の口を指さす。

「無理です・・・」

私はいつも通り目に涙を溜めながら、震えた声で言った。


「だからそれ、ゾクゾクするだけだけど」


相変わらず、怖いところは変わっていない。

もう、勇気を出そう。

私は男の人に近づいて、頬にキスをした。