「それに、ごめんなさい。貴方がこんなに優しい人だと思わなかった。こんな優しい人に心配をかけて、やっぱり私は偽善者です・・・」

私はそう言って、顔を上げた。

「本当にありがとうございます・・・」

お礼を言う時は笑顔で、誰かがそう言っていた。

私はぎこちなくても上手く笑えただろうか。

男の人が私をじっと見つめる。


「お前、もっと笑えよ」


そう言って、私をまたしても壁際に追い詰める。