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私が絵に興味を持ったのは、幼いころ。
人見知りで、周りとうまくなじめなかった私に、両親が誕生日にクレヨンとスケッチブックを買ってくれたのが始まりだった。
最初は、両親のリクエストをただ描いていただけだったけれど、だんだん自分の好きなものを描くようになって――。
気づけば、周りに人が集まって、その子たちと仲よくなれることができたんだ。
その経験から、私は絵を描くことが好きになって。
小中学校に美術部がなくても、時間を見つけてはどこでも絵を描くのに没頭していた。
高校生になって、念願だった美術部に入部。
それからしばらく経ったある日、美術室で絵を描いていると、顧問の先生から声がかかった。
「桜庭さん、“世界絵画コンクール”の応募があるんだけど、ここにあなたが描いた絵を出してみない?」
世界絵画コンクールは、その名の通り、世界中から広く絵画作品を公募している。
有名美術大学出身者やプロのアーティストが多く参加し、作品のレベルは非常に高いコンクールだ。
そんな世界的なコンクールに私のような素人の絵を出すなんて……絶対に評価されるわけがない。
私は丁重に断ったけれど、毎日のように先生は熱心に私を説得した。
「桜庭さんの絵なら、きっと入賞できるわ。一度だけでいいから挑戦してみて!」
「……わかりました」
結局、私は先生の熱意に押されて、最終的には応募することにした。