次なる視界/その12
麻衣


真樹子さんがヒールズに来た…

「どう?小指の具合は」

「ええ、経過は良好ってことです。痛みもだいぶ和らいだし、動かさなきゃ骨折れてんの忘れちゃうくらいですよ」

「そう…、よかったわ。とにかく無茶しちゃダメよ」

「はーい!」

真樹子さん、ビール飲みながら笑ってら、はは…

...


「ほー、明後日、南玉の総集会がね…」

「そうなのよ。まあ、あんだけ人数減っちゃったから、幹部会自体が機能しないし、何かを決めるんなら全員集合ーってね(苦笑)」

アハハハ…、真樹子さん右手挙げてノリノリだわ

「そこであなたのことも諮るでしょうね」

「おお、あの問題児戻りたがってるけどどーよってか…。ハハハ…、議場は騒然とするだろうね、こりゃ見ものだわ。覗きに行くか…」

「あのねー、他人事みたいんなんだから…。私たちはこうなったら、何が何でも麻衣さんを南玉にカムバックさせるって意気込んでるのに、力が抜けちゃうじゃないのよ」

「ゴメン、ゴメン…。ところで、変なこと言うけど、この私と祥子+ドッグスの復帰、どっちを先に諮るのかしらね…」

「うん、そうね…。どうなんだろうか…。でも、三田村さんの最新情報によると、合田はどっちも戻す方向で考えてるってことよ。何らかの方策を考えてるでしょうから、その辺の按配で順序が決まるんじゃないかしら」

うーん、どんな組み立てを用意してるのかな、赤い狂犬は…

単純に興味あるんだけど

なんたって、単なるイケイケではないからね、あの狂犬さん…


...


「それと…、これも三田村さん経由でね…」

ほー、これまたサプライズだねー

なんと、新生南玉の2セクションのうち、各校勢力を束ねる部隊のリーダー格におけいが候補に上がってるてことだわ…

「なんでも今度の改革案は、主体グループ二つとも、メンバーは1年だけで構成するって方針らしいのよ」

荒子さんは本気で都県境の今後あるべき姿を模索してる

そんで、自分の代のうちに軌道に乗せようって気構えで取り組んでるようだ

その真意はなんとなくだが私、分かるかな…

まあ、当面は明後日の結果を待とうっと

ケガしてる身だしね(笑)