「……妖精に人の羞恥心を分かれっていうのが間違っていたよ」

「む。失礼な。妖精にだって羞恥心くらいある」

 おなかを隠したまま机に顎を乗せて見上げてくるペリウィンクルに、ヴィアベルは「心外な」と眉を顰めた。
 そんな彼に、ペリウィンクルは「え」と意外そうに声を漏らす。

「あるの?」

「ある」

 簡潔な答えは思わせぶりで、ペリウィンクルの好奇心が疼く。
 キラキラとした視線を向けてくる彼女に、ヴィアベルは恥ずかしげにフイッと視線をそらした。

「例えば、どんな?」

「聞いてどうする」