「需要と供給が永遠に食い違わないことを祈るばかりですね。食い違ったらどうなるか……考えるだけでも怖いですよ」

「あら。でも、この世界はゲームの世界だけれど、わたくしたちにとっては現実なのよ? めでたしめでたしで終わらないことなんて、いっぱいあるでしょう」

「……それは、お嬢様とソレル殿下のことを仰っているのですか?」

「さぁ、どうかしら」

 意味深に笑うローズマリーは、それ以上言うつもりもないらしい。
 ペリウィンクルから視線をそらし、彼女は遠い目をして言った。

「それにしても……リコリス様は何がしたかったのかしらね」

 それについてはわからないとしか言えない。
 シナモンとニゲラを狙っていたあたりまでは逆ハーレムルートを狙っていると思っていたのに、今回はトゥルシーを狙って意表をついてきた。