それはまるで、彼女自身がピンク色は似合わないと諦めているようで、ペリウィンクルは寂しく思った。
 ペリウィンクルが何も言えずにただ立ったままになっていると、ローズマリーはさっとサントリナの手を握る。

「似合いますわ! ねぇ、サントリナ様。わたくし思ったのですけれど、本当はかわいいものがお好きなのではありませんか?」

「えっと……」

「見た目が王子様みたいだからと言って、王子様になる必要はございませんわ! ドレスもお化粧も、もちろんピンク色だって、似合わないはずがないのです。お一人が心細いなら、わたくしたちがお手伝いいたしますわ。だから、ね? 楽しみましょう?」

「あ……」

 その時、コロリと。サントリナの目から、雫が落ちた。
 瞬きをするたびに、それは何個も落ちてくる。