「二人とも、おかしな顔をしてどうしたんだい?」

「サントリナ様は本当に、ニゲラ様がお好きなのだなぁと思っただけですわ。ねぇ、ペリ?」

「はい。ここはぜひ、軟膏の作り方を覚えて帰っていただいて、手作りすると良いかと思います!」

「そ、そうかな?」

「「そうですとも!」」

 息ぴったりに言い切る二人に、サントリナは一瞬キョトンと目を瞬かせて、それから弾けたように笑った。

「そうそう、忘れるところでした。軟膏を塗ったあとは、エキナセアとローズヒップのお茶がおすすめです。エキナセアには感染症の予防と治癒作用がありますから」

「そうなのか。ローズヒップはいろいろ使えるのだね。今度、ボクの箱庭に植えてみようかな」

「でしたら、ロサ・カニーナを植えてみてください。一重に咲いたピンクがかった花は、とてもかわいらしいですよ」

「ピンクか……ボクの箱庭に似合うだろうか」