「クソッ!」

理人(りひと)が警察に連行され、龍牙(りゅうが)は拳を地面に向けて、何度も叩いた。

「実花(みか)、守ってやれなくてごめん…」

龍牙は涙を流す。

『ありがとう、りゅう君』

声が聞こえた方を見ると、生前、実花が好きだったワスレナグサが揺れていた…。

ワスレナグサの花言葉は、

『わたしを忘れないで』。

「おまえの事、忘れないよ」

龍牙が言うと、実花の笑顔が見えた気がした…。


【 完 】