『りゅう君、これを見て…』

実花は自身の手のひらを、龍牙の頭に置いた。

それは実花の最期の記憶だった…。

「クソッ、やっぱアイツか…」

龍牙は叫ぶと、警察署に向かって走り出した‐。


‐「え!
9年前の女子高生殺人事件の犯人は同級生の坂下 理人(さかした りひと)!?」

刑事の大森(おおもり)は龍牙の話を聞き、思わず大きな声を出す。

「証拠はあるんですか?」

いかにもインテリそうな刑事がやってきて、龍牙に問う。

龍牙が言葉に詰まると、

「証拠がなければ、逮捕は出来ないですよ?」

インテリ警視・岩倉(いわくら)がメガネをクイッと上げながら言う。