「実花は坂下をずっといいヤツだと思っていたんだけど…」

龍牙はアイスコーヒーを一口飲み、遠くを見ながら言った。

「…ある日を堺に実花の身の回りの物がなくなったんだ…。
筆箱やシャーペン…しまいには体操服まで…」

「嫌がらせ?」

星の言葉に、静かに龍牙は頭を横に振る。

「…好きなヤツと同じ持ち物を持っておきたいって気持ち、キミらにはわかるかな?」

龍牙の言葉に星は考え込んだ挙句、首を傾げ、カナは目を輝かせながら頷く。

「わたし、小学生の頃、好きな人と同じシャーペンをわざわざ買って持ってた事ある!」

「え、マジ…?」

星は引いている。