「さあどうぞ」

優也さんが案内してくれたのは、職場からもそう離れていない場所にある老舗のフレンチレストラン。
決して目新しい話題の店って感じではないけれど、格式があって雰囲気のいいお店。

「意外ね」

もっとこう、派手で目を引くようなところに連れて行かれるんだと思っていたから驚いた。

「夜景の見える高層レストランを想像していた?」
「うん」

別にそういうところに行きたいわけではないけれど、優也さんならそういう演出をするのかなって思っていた。

「ここは我が家の行きつけなんだ」
「そう、なのね」

確かに落ち着いていて素敵なお店だわ。