この事に、気づいてしまった俺は、、
毎日毎日綾の気持ちも考えずに
ただただ綾の視界に毎日俺が写っていることに
安堵し
喜びを覚え
知らない女と下校することを繰り返す。
知らない女と帰ってるときなんて、一言も話さずにただ相手が話してる内容に相づちを打つ。
、、、、綾のことを考えながら。
我ながら女々しいと感じつつも、あのときのなんとも言えない嬉しいような興奮したような気持ちを忘れられずに、どうすればもっと意識してもらえるかを毎日考えてしまっている。
そんなある日、見つけてしまった。
楽しそうに笑いながら綾と貴崎は一緒に登校していた。
それも毎日のように。
そして、帰りは必ずと言って良いほど俺のことを誘っていた綾は、
貴崎に呼ばれて一緒に帰るようになった。
「どーゆこと」
小さく呟き、彼らを追って教室を出る。
そして、二人でアクセサリーを選ぶ姿を視界にとらえ、貴崎にそれをつけてもらっている綾を見てしまったのだ。
胸が締め上げられるような気持ちになった。
ただただ苦しい。
苦いとか、悲しいとかじゃなく、、痛い。
「綾、、、」
声をかけても反応すらされず逃げられる。
そんな二人を見て、
貴崎と手をとって走る綾をみて
心臓を握り締められるように感じ
うずくまってしまった。