圭side







俺はずいぶん前からその女の子を知っていた。











自分の性格は、自分が思ってたよりもずっと情けなくて



春休み明けの始業式、ポケーっと式に参加してたこともあり式が終わったあと俺は何をすればいいか全くわからなかった。


(、、どこ行きゃいいんだろ)

人の流れに流されるままたどり着いたのは、まさかの3年生のクラスで、、



とりあえずその場は離れたが、一年の教室がどこかわからない。







(まぁなんとかなるかぁ、、)





歩くこともめんどくさくなり、その場にしゃがみこむ。








『タッタッタッタッ』




「ぐ、具合悪い?
 大丈夫?」












(ん?、、俺のことか)


少し顔をあげてみると、目に入ったのは俺と同じ赤の上靴。


なんだ、一年じゃん。









「、、、1年7組、、どこ?」





顔を上げずに聞いてみると





「同じクラスだ!
 私、入学式寝ちゃってクラスどこかわかんない 
 んだよねぇ
 迷い仲間だ!」



ニッコニコしながらそんなことを言われた。













「、クラス、、探さないの?」




と、声をかけると






「んー、めんどくさいしいーや笑」





と言われ少し面食らってしまった。




初日だぞ?大体行きたいものじゃないのか?


と、疑問にも感じたが、俺も動くのがめんどくさく彼女の話を聞きながらその場にうずくまっていた。












後から聞いた話だが



彼女こそが、俺の今の彼女の綾である。



そして、これも彼女の友人から聞いた話だが
彼女は俺に声をかける前に7組にたどりついていたらしい。
ちなみに式も寝ていなかったそうだ。




ただ、ふらふらしている人がいて心配だから様子を見てくると言ってその場を離れたらしい。


そして、その人がその場を動きたくなさそうで、一人で置いてくのも寂しいなっと感じたため
朝礼をサボったのだと説明したらしい。











、、、お人好しか?








別にこの出会いで綾に惹かれた、、とかではない



綾も、俺は自分の容姿が人を引き付けることを理解していたので、当時は前髪を伸ばしマスクもしていたため、俺だとは気づいてないだろう。





ただ、この出会いをきっかけに綾を目で追いかけるようになったのは認める。







そして
誰にでも話しかけるところとか



雑用押し付けられてもニコニコしながら仕事しているところとか


友達想いなところとか












多少なりとも彼女に好意を抱いていることは、自分でも自覚していた。