門を出てからすたすたと俺の前を歩いて行く梢ちゃん




さっきからアスファルトを照りつける太陽は変わらず地面を焼いている




暑い…
とにかく暑い……




元々光が嫌いな俺には結構苦痛だった




梢ちゃんと俺は一切喋らず無言…




はたから見ると,ケンカしたカップルみたいな感じかもしれない。




俺は梢ちゃんを見失わない様にしっかり後ろを歩いていく




その時間が約10分くらい経った時,俺の視界は木でいっぱいになった




上を見上げると同じ青くて眩しい空…
なのに,下を見るとさっきとはまるで別の世界。




家ばっかりの住宅街から一変して
童話に出てきそうなぐらいの何処か怪しい感じの森林になった





小さい頃からこの街には住んでいたけど,こんなとこ始めてみた…




怪しくて一見怖い…
でも,何処か温かみや優しさを感じる




まるで木が,葉が,俺たちを慰めてくれているみたいに風によって音を立てる




一言では言い切れない不思議な場所。