ぎゅっと掴まれてそのまま上に上げられた




ふわっと一瞬宙に舞い,俺は陸に着地した




「こっち…」




そう言って俺の手を掴んだまま梢ちゃんは門の方に引っ張っていった




「本気で行く気…?」




俺は門の前で止まり,もう一度確認した




あんな静かで大人しい梢ちゃんがそんな事言うなんてちょっと自分の耳を疑ってしまう




でも,梢ちゃんは俺の目の前で大きく頷きまた微笑んだ




そして俺の手を放し,すたすたと先に行ってしまった




は…?
俺,置いてかれた?




直射日光に当たる体…
光にはあまり触れたくないけど




いくらなんでも…
1人には出来ない。





俺はそんな事を思いながら梢ちゃんの行った方向に走っていった





その出来事は清凌高校を2時に出た時の事だった─…