「ねぇ亮クン…,ちょっと抜け出さない?」




ぼやけていた視界がだんだん覚めていくと,それを言ったのが梢ちゃんだと分かった





微笑んで俺の方を見ている梢ちゃんを横に蜜希達の方を見ると,3人とも仲良く眠っていた




「えっ……」




当然戸惑ってしまう…
急に言われても……




「皆寝てるし,大丈夫だよ」




そう言って梢ちゃんはしゃがんでいた姿から立ち上がった




俺の手を掴み立たせようとする梢ちゃん




「えっ…ちょっ‥まじで行くの…?」




まだ状況を上手く把握できない。




夢かとも思えた。




でも,何度瞬きをしても同じ景色。
俺に夢じゃないと何度も教えてくれる




本気で行く気…?



梢ちゃんはずっと笑ってこっちを見ていた
俺の腕を掴んだ右手を離さないまま。