「何だよ亮?俺だと悪かったのか?」




秦はそう言いながら一歩ずつ俺に近づいてきた




その逆だよ。
正直,秦で助かった─…




「別に…」




俺はそう言いながらちょっと気になっていた秦と手を繋いでいる女の子に目をやった




光っているシルバーリングを付け,すらっとした細い指を秦の指と絡ましている少女。




よく見ると,赤い爪の色に赤い口紅…
秦と同じぐらいの高い身長…




どうみても高校生には見えない…




「小っこーーー!」




俺が秦の連れの人に目をやっていると
急に秦がこっちを指差した




その指の先を見てみるとそれはソラを抱えた芽衣の姿だった




急に指を指されてびっくりしたのか芽衣は何故か泣き出しそうな表情を浮かべた




一歩,また一歩と後退りして俺の後ろに隠れてくる芽衣。




「おい秦,芽衣をびびらせんなよ…?とにかく指下げろ!」