俺は芽衣の手をさっきよりも強くぎゅっと握り進んで行った




暫く進んで来たが見えて来るのは焼きそばに綿飴,ヨーヨー釣り……




何でりんご飴だけ無いんだよ─…




必死に人を掻き分けて進んでも全然見えてこないりんご飴…




もう…何でだよ。




ちょっと苛立ちを感じた俺はいったんドリンクの所に立ち寄った




「いらっしゃい!どれにする?!」




凄い営業スマイル満点のおっさんに俺はコーラとオレンジジュースを渡した





「ありがとね!」




その言葉と引き換えに俺は金を渡して芽衣とまた列からはみ出した




「ねぇーんだけど…りんご飴。」




俺はそう溢し芽衣にオレンジジュースをあげた




「やったぁーー!!」



さっきまで泣きそうだった芽衣がいつもの無邪気な顔を見せた




俺はその笑顔を見て微笑み返し,さっき買ったコーラをシュパっという音と共に口に含んだ