『おい亮!!亮?聞いてんのか??!!』




左手でぶらぶらと持っていた携帯から蜜希の声が聞こえてくる




少ししか残っていない力を振り絞って携帯を耳にあてた




「ごめん蜜希…」




『あ?!おい亮?だか………─』




俺はその言葉だけを言い蜜希との電話を切った




ツー,ツーと聞こえる虚しい音…




俺はその音を聞いて携帯の電源を切った




明るい屋台の声と後ろで光る花火…





そんな明るくならないでくれ。




俺には光なんていらねぇ─…




りんご飴を右手に持ったまま俺は携帯をポケットにしまった




やっぱり俺の光はすぐに消えてしまう…




太陽みたいな輝きを放つ光,その光と居る時だけは光の住人になれると思った…





でも,俺はやっぱり闇の住人なんだ……