《ブー,ブー》




さっき止めたはずのバイブがまた鳴り出した




ったく,さっきから誰だよ…
正直鬱陶しい。




俺は仕方がなく携帯をポケットから取り出し電話に出た




『おい亮,お前どこにいんだよ!?』




電話越しに聞こえる葉月や唯ちゃんの声と共に蜜希が声を荒げた




前にいるその子の事が気になるけど,仕方がない…
俺は少しその子と距離を空けて蜜希に応答した




「悪りぃ…」





『お前なぁ,何であそこから離れたんだよ!?」




お前がいなくなったからだろ…
でも,そんな事を言ったら余計に話しが長くなる…




「あー悪りぃ,ごめん。」




『んで,お前今どこにいんの?』




「あ─……,今……」




俺はそう言って辺りを見渡すような声を出してあの子がいるかどうかを確認した




木の方を向くと,木の下に入ってまだそこから花火を見続けているあの子の姿があった