「りんご飴…?」




俺はつい言葉に出して言ってしまった




「あっ………。」




その子は下を向きながら手を伸ばしそのりんご飴をとっさに拾いあげた




そのりんご飴は砂まみれで勿論食べれるような状態ではなかった




右手に掴んだりんご飴を悲しい表情で見つめるその子の顔を見ると,何故か凄く罪悪感に襲われた




「ごめん…。おごるよそれ」




俺は仕方がなく…,というより何かほっとけないような感じがして砂がついたりんご飴をその子から取った
心の中で思った…独りにはできない…。




後ろポケットから財布を取り出しその子の手を掴んで列からはみ出て木の近くに移動した




「何処にあったの?」




俺はその子の手を離して目を見た




戸惑っているような表情を見せるその子は黙ってしまって何も言わなくなってしまった




すると,そんな時に俺のポケットで何かが震え出した




誰だよ?こんな時に…。




俺は面倒臭くなりながらもポケットに手を突っ込み携帯を取り,バイブを止めた