とは思っても,右も左も人で埋め尽くされ避けれる場所もなかった




は…!?
まじで…?




そう思っているのもつかの間,案の定その子は俺をめがけて衝突してきた




《ドン》




結局痛そうな音を立てて俺とその子はぶつかり,その子は反動で倒れてしまった




「痛─……。」




そう言いながらその子は地面に叩きつけられた




「大丈夫…?」




俺はとりあえず言葉をかけ,手を掴んで立ち上がらせてあげた




「ありがとう。ごめんなさい…」




その子は立ち上がり浴衣の砂を払いながら俺に言った




赤色の浴衣に身を包んでいるその子は凄く綺麗な瞳に長い睫をしていて,セミロングくらいの髪の毛を上でとめていた




「そんなに走ってたら危ないよ?」




俺はその子が履いている下駄の所に目をやりながら言った



すると,その子の下駄のすぐ近くの地面にりんご飴が落ちてあるのが見えた