どうして君はここの祭りに惹かれたんだろう…




祭りなんてもっと家に近い所だってあったのに……




「……りょ──りょう……亮!…亮!!!?」




蜜希の声でふと我に返ると俺の顔の前で蜜希が団扇を振っていた




「…?」




「お前大丈夫かよ…?人混みで酔ったか?」




心配そうな表情をした蜜希は俺を引っ張って木陰へと連れて行ってくれた




「悪りぃ…大丈夫。」




「お前,あんま無理すんなよ!昨日病院いたんだし…。」




そう言って蜜希はどこかに向かって走っていってしまった




蜜希,何処いったんだろ…?




そうは思っても,俺の体は何故か動くことが出来なかった
この木陰で独り残された俺…。





はぁ……。




やっぱり来るんじゃなかった…




俺は木にもたれかかろうとして横を向くとそこには草壁祭りの団扇が置いてあった