蜜希は電車の中でも常に唯ちゃんの隣をキープし,喋りかけていた




そんな蜜希を横目で見ながら俺は外を見ていた




夕陽が完全に沈み真っ暗な闇に染まる空。




さっきみたいに眩しい空じゃなく,こっちの方が俺は落ち着けた




俺は電車の窓を覗き何故か独り安心していた




すると,俺の肩を誰かが叩いた




叩かれた方に振り向くと叩いたのは左隣の葉月だと解った




「ねぇ,亮は草壁祭り行ったことある?」





「………うん」




その話から俺と葉月は会話が続き,気がつくともう草壁神社の前にいた




久しぶりに来た草壁神社…




何にも変わってねぇな……




俺は神社の近くの電信柱に張ってある草壁祭りのポスターに目をやった




─………


〔ねぇ,亮!お祭りだよ,お祭り!!〕



はしゃぐ君の姿,俺はそれだけで十分だった…