駅に着いただけなのに息をハァハァと言わせてる俺…




何で俺までこんな走らなきゃいけねぇーんだよ─…




俺は今だに蜜希に腕を掴まれたまま駅で俯いていた




「疲れた─…」




そう言った俺の言葉なんて風に流されたように蜜希の耳には一つも入っていないだろう…





なぜなら,今こいつの目の前には大好きなあの子がいるからだ…




いつもより固まっている蜜希
そんな蜜希を見て思わず笑ってしまった



《痛っ!》




俺の心の中でこの瞬間この言葉が出てきた
隠しながら笑っていた俺にいきなり激痛が腹に走った





原因は多分俺の目の前で固まって動かないこいつのせい




蜜希が俺の腹に拳をつきあげてきた




でも,俺もそんな蜜希に怒ったりはしなかった
こいつの気持ちは俺にも解らなくはないから…。




「蜜希,紹介しろよ?」




俺は解っていながらも蜜希のためにわざと聞いた