俺は画面を換え宛先を見た




≪To 唯ちゃん≫




「唯ちゃん…?」




俺は目に映し出された文字をそのまま読んだ




「おい亮!いい加減にしろって!!頼むから返してくれよ…」




蜜希はそう言いながら俺の手の中にあった携帯を無理矢理取り上げた




まだ真っ赤な顔をしている蜜希…




そんな慌てている蜜希が可笑しくて可愛くて…



でも,それより……


「なぁ蜜希には悪いけどさ,唯ちゃんって誰…?」




「はぁ!!!!?唯ちゃんの事知らねぇーの!?」




蜜希はさっきの顔とは一転して目を丸くした




「おう。お前唯ちゃんの話なんてした事ねぇーし……」




俺はお母さんが置いていってくれたりんごを一口齧った




「まじありえねぇー?!!あっ!じゃあ,祭り来てくれたら教えてやるよ!勿論,来てくれるよな!?」