「もう…何芽衣泣かしてんの?」




そう言って階段を上ってきたのは祐莉だった




「別に,泣かしてねぇよ…」




「大丈夫芽衣…?」




俺の言葉なんか無視し祐莉は芽衣の近くに行った




「うん……」




芽衣の元気のない返事…




俺のせい?



「…………」




誰も何も言わない空気が流れ,廊下は静まり返った




祐莉は何も言わず俺の方をずっと睨み,芽衣を抱きしめていた




「じゃあ,祐莉一緒に行ってあげて?」




俺はその沈黙を破り,祐莉に持ちかけた




すると,祐莉は芽衣の顔を自分の方に向けて言った




「芽衣,先に玄関行って待っててくれる…?」