「ごちそう様」




俺はそう言って食器をテーブルに置いたまま2階に上がった




廊下で聞こえるソラの鳴き声…



その高くて響く鳴き声が俺の頭にガンガンと響いてきていた




俺は急いで自分の部屋に入り,扉に鍵をかけた




明るかった視界が一気に暗くなる。




やっと落ち着いた…




俺にとってこの家は明るすぎる
光がありすぎる…




俺の部屋と廊下の境界線であるこの扉で俺の家は光と闇に変わる




俺は闇の住人。



だって,光はなかったから…
俺は必死に探した。



でも,光なんて何処にもなかった。
俺の心にも……



俺の心は闇なんだ─……



だから,光なんかいらねぇ─…
光なんか在っちゃいけねぇ…




なのに,この街には光と闇が混ざっている




この扉を境界線にして……