《ワン!》



明らかに晴弥の方から聞こえてくる鳴き声…




どう見てもそれは小型の犬だった。




「こら!ソラ,吠えちゃだめだろ!」



晴弥はそう言って小型犬に言い聞かせていた



俺はとりあえずまた階段をゆっくり降りていき,犬の近くに行った



「亮兄ちゃん,ソラって言うんだ!」



晴弥は満面の笑みでそう言い,犬を俺に見せてきた



ソラか…
ってか,何で家に犬がいんだよ?



俺は疑問を抱えたまま,とりあえずソラの頭を撫でリビングに入った



ソラの鳴き声が廊下から聞こえてくる。



うるせぇー…



その高い鳴き声が余計に頭に響き,痛みを増した



「亮,起きたの?」



そう言ってお母さんは俺の朝ご飯を作り始めた



「うん…,ってか頭痛止めない?」



俺は薬箱を取って中を探りながら言った