「もう…いいよ。
お前の事,見損なった。」





その言葉と同時に芳輝の手は俺から放れた。
そして,芳輝は光の中に入っていく。





ただ独り残される俺と,転がった空き缶。





俺は,芳輝がいなくなるまでずっと芳輝の背中を見つめていた。





ごめん…芳輝。
俺,こんなんで……




ごめん……。
お前は俺の事考えてくれてたのに…




ごめん─…ごめん。




俺の為に言ってくれたのに
本当にごめん…




芳輝──……
ごめんな…?





謝っても謝っても,謝りきれなくて…
俺は,芳輝の背中に向かって何度も心の中で謝った。





泣きたくて仕方がなかった。
でも,俺の目からは泪が出ない…。





心には余計にぽっかりと空いた穴が残り,そこを埋められるのはきっとあの芳輝の背中だけ…。