俺は立ち上がり机の上からりんご飴を取った





ぎゅっと棒の部分を握る…





まだ鮮明に想い出せる。





可愛い浴衣を着て,凄いスピードで走ってきた君の姿。
俺を見て少し怖がって震わす身体も…





あの時の花火を眺める君の凄く綺麗な瞳も─…





弟のために一生懸命な君も─…





公園でずっと傍にいてくれた君も─…





全部鮮明に俺の中に残ってる…。






写真のように綺麗に残ってる…






少し震える右手,小刻みにりんご飴も揺れる。






でも…
俺とは居ちゃいけないんだ─…






俺はりんご飴をぱっと手から放し,ゴミ箱の中を見続けていた